愛されたい、だけなのに
目の前には、頬を押さえた榊原の背中とー…
「あ…」
雨にずぶ濡れになった、柳先生がいた。
「どうして…」
無意識に出た言葉。
その問いに、榊原が振り返った。
「櫻井には嘘ついたけど、部活終わりに圭吾から連絡があって。"櫻井を探してくれ。見つけたら、俺から連絡あったことは内緒にして保護してくれ"って。だから、ホテルに入る前に、圭吾にメールしといたんだよ」
気付かなかった…
「保護してくれとは頼んだけど、何でラブホテルなんだ…てか、高校生が来るところじゃないだろ」
大きな溜め息をつきながら、柳先生が言った。
「だって、俺たち付き合ってるから。な?櫻井」
「!」
榊原にいきなり振られ、心臓が大きく跳ねた。
「あ…」
確かに付き合ってる…
「…うん」
付き合ってるんだけどー…