愛されたい、だけなのに
「守れる生徒を守れなかったときだって」
少し距離があってもわかる、柳先生の真剣な目。
…トクン。
「懲戒免職なんかよりも、櫻井…お前を守ってあげれなかったという後悔の方が、比べものにならないぐらい強いからな」
トクン。
徐々にクリアになっていく、思考。
トクン。
「またお前が学校からいなくなった時、もう本当にダメかもって…すごく心配だったけど、無事で良かった」
心臓が穏やかに打つ。
トクン。
止まっていた血が、再び通い始めたかのようにー…
「じゃあ、後頼むわ。榊原」
柳先生が背を向け、行ってしまう。
「っ…」
ドアを開け出て行ってしまう。
「柳先生!」