愛されたい、だけなのに




昨日、榊原がコンビニの前を通りかからなかったら、私はどうなっていたんだろうか?


帰る家もない、行く宛もなく、雨の中をさまよっていたんだろうか?


それとも、また死のうとしたんだろうか?


「…っ」


そう今考えると、寒気がする。



良かった、榊原が声を掛けてくれて。
見つけてくれて。



良かった、柳先生が探してくれていて。


良かった、蘭が心配してくれていて。





こんなに迷惑かけてやっと、気付いたよ。



私、こんなに愛されていたんだと。









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