愛されたい、だけなのに
「びっしょりだ…」
家に着くと、鞄も制服もびっしょり濡れていた。
とりあえず、着替えよう。
慌てて自分の部屋に行き、着替えた。
「柳先生の部屋の窓閉めないと…」
普段は入ってはいけないと言われている、柳先生の部屋。
前に一度だけ入ってしまって怒られたんだっけー…
けど、今回は柳先生に頼まれてるから。
早くしないと部屋がびしょ濡れになってしまう。
許可をもらっていても、普段入ってはいけないと言われているから何か緊張する。
恐る恐る、部屋のドアを開けた。
「…うわ!!」
思っていた通り、部屋の窓は開いていて雨が降り込んでいた。
窓際にあるベットはもう濡れていた。
「早く閉めないと!」
慌てて窓を閉め、部屋を見渡した。
机も濡れちゃってるし、本棚もー…
見渡していると、本棚に飾られている写真が目に入った。
「…」
写っているのは、制服姿の女の子。
これ、うちの学校の制服じゃない。
引き寄せられるように、写真を手に取った。
…誰?
笑顔で写真に写る女の子は、私と同じぐらいー…?
じっと見つめてると、写真立ての中から一枚の紙が落ちた。
やば…
慌ててその紙を拾う。
「!」
その紙の表面には、文字が書かれていた。
¨遺書¨ー…