愛されたい、だけなのに
放課後ー…
柳先生が職員室にいないのを見計らって、校長室に来た。
「で、私に聞きたいこととは?」
校長室には、校長先生と私しかいない。
来客用のソファに向かい合って座っている。
「あの…」
いざ聞こうと思うと緊張してしまい、言葉が見つからない。
何て聞いていいかわからず、黙っているとー…
「…柳先生のお姉さんのことですか?」
「!」
え…
校長先生の口から出た言葉に驚いた。
柳先生のお姉さんのことを知ってる…?
「あ…いや、何でもありません。気にしないで。で、櫻井さんの聞きたいことは?」
話題を変えようとする、校長先生。
校長先生は知ってるんだ。
柳先生のお姉さんのこと。
お姉さんが自殺していることもー…?
気になっていたことを聞こうと思っていたのに、今はもう柳先生のお姉さんのことが気になってしょうがない。
「…柳先生には秘密にしてもらえますか?」
聞きたい。
「はい。櫻井さんが望むのなら」
柳先生のお姉さんが何で自殺を選んだのかー…
「…私、柳先生のお姉さんの遺書を読んでしまったんです」
何で、自殺してしまったのかー…
柳先生は、どう思っているのかー…