愛されたい、だけなのに
「櫻井」
「!」
ドキン!
泣いて腫れた瞼を、柳先生の指がなぞる。
「さっきの話…俺の姉さんのことだけどー…」
ドクン!
勝手に遺書を見てしまったこと、校長先生に話を聞いてしまったことを柳先生に話した。
さっきは泣いて話す私に、頷くだけだったけどー…
やっぱ、勝手にお姉さんのことを聞いたのは柳先生だって嫌な気持ちにー…
「…明日学校休みだし、一緒に墓参り行ってくれる?」
「お墓…参り?」
予想外の言葉に、驚く。
「あぁ。車で2時間ぐらいだけど、大丈夫?」
「はい…」
「良かった。じゃあ、今日はもう寝ようか。疲れただろ?」
そう言うと、柳先生はカップを持ち立ち上がった。