愛されたい、だけなのに
「そっか…ありがとな。着替え持って来たから、好きなの選んで」
そう言いながら、柳先生が先に立ち上がった。
リビングに戻って行く柳先生の背中を、座り込んだまま見つめる。
ドキドキ。
まだ収まらない。
「…って」
いつまでもここに座り込んでいたら、柳先生がまた心配する。
洋服置いといてくれたって言ってたよね?
着替えよう。
そう決めると濡れていた手をタオルで拭き、リビングに向かった。