愛されたい、だけなのに



運転席と助手席の距離感が、なんとなく緊張する。


沈黙も気になるが、会話を探そうにも思い付かない。


どうしよう…


柳先生に聞こえてしまうのではないかというぐらい、ドキドキしている。


「時間かかるから、眠かったら寝ていいから」

「!」

「着いたら起こすからさ」

前を向いたまま、柳先生が言った。


「…はい」


会話も思い付かないから、とりあえず寝たフリしてよう。



そう決めると、目を閉じた。




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