愛されたい、だけなのに
お母さんを先頭に柳先生、そのあとを付いて行くようにお姉さんのお墓まで向かった。
歩いている途中、誰も一言も喋らない。
「…」
一番後ろを歩き、不安になる。
私はここに来て良かったのだろうか?
お姉さんのために買った洋服を、私が着て良かったのだろうか?
お母さんが私の名前を知っているってことは、柳先生が私と一緒に暮らしていることを話しているってことだよね?
だったら、その一緒に暮らしている私のせいで柳先生が、教師を辞めなくてはいけなくなるかもしれないってこともわかってるよね?
ドクン!
「…っ」
そう考えると、私はここに居ちゃいけない人間だ。
「…櫻井」
「!」
ハッとして顔を上げると、柳先生と目が合った。
「…はい」
返事をしたのはいいが、目を合わせていられなくなり、また俯く。
この場をどうしていいかわからない。
だって、私はー…
「この場に、居てはいけない人間」
「っ」
ドクン!