愛されたい、だけなのに


「っ…」


キュンっと胸が熱くなる。



出会えて良かったのは私の方なのに、柳先生もそう思ってくれるなんてー…



嬉しい。



「…圭吾、よく頑張ったわね」


柳先生のお母さんの目からは、涙が零れ落ちる。


「彩菜が選んでしまった道は間違っていたかもしれない。けど、彩菜はマナちゃんの命を救ったの。今日それが聞けて、残された私たちも救われたわ」


次々と流れ落ちる涙をハンカチで拭きながら、お母さんが話す。


「ありがとう、マナちゃん…ありがとう、圭吾」

「っ…」



お母さんの涙にまた胸が熱くなり、涙が出そうになった。








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