傍にいてギュッとして
帆波と秋風と

廊下

ああ、あぶない…あのままだったら、翔貴先輩に嘘吐いたのバレちゃうし、吉川にもへんにきまずい空気をおすそわけするハメになっちゃうところだった…

周りに、誰も居なくなると私は立ち止まった。
そして、ため息をひとつ。さっき、吉川がくれたペットボトルが、手だけを冷やしていく。

むなしい、温度…

「はぁぁぁあ……」

さっきより、ふかくふかく、ためいきをついた。
それしかできなかった。
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