傍にいてギュッとして
帆波とハルと

ある日の朝。

「お兄ちゃん、おはよう。」

今日も、私はお兄ちゃんに話しかけた。写真となったお兄ちゃんに。

一人の朝に、コーヒーの匂いが虚しく響いた。
その匂いにつられて、気が遠のきそうになった。あれだ。二度寝というものだ。

ピンポーン

軽快なチャイムが鳴った。私を虚構の世界から連れ戻してくれた。

私は玄関に向かった。
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