Last summer
学校
ついにこの日が来た。
僕が弘人君として学校に行く日。
そして、麻莉ちゃんと一緒に学校に行く日。
僕は、自分のでもない髪をいつもより念入りにセットした。
「よしっ!」
セットし終わったところで丁度インターホンが鳴る。
「おはよう!」
「お、おはよう!」
会うのは二回目にもかかわらず、この天使スマイルに馴れない僕。
「じゃあ、行こう!」
先を歩く麻莉ちゃんの後ろで僕は大きく深呼吸をした。
これから始まるんだ・・・新しい生活が・・・――