命の灯が消える、その時まで
「…あたりだよ、実織ちゃん」
そう言って萌音は私に近づいてきた。
近づくごとに分かる、私が創った「萌音」との再現度。
黒くて長い髪をおさげにして、自信なさそうに歩く彼女は、まるで私みたい。
そりゃそうか。
だって、私に似るように、私が書いたんだもん。
ついに手が触れるくらい近くに、萌音が来た。
「実織ちゃんは、どうして私を創ったの? どうして夕凪ちゃんと巡り合わせたの? どうして…巳影くんと付き合わせてくれたの? 」
「え、それは…」
「それは、それがあなたの望みだったから。あなたの望みを創り出した「萌音」に叶えさせたかったから」
思わず押し黙る。
確かにそれもあった、否定はしない。
だけど、それがなんだって言うの?