命の灯が消える、その時まで
私が困惑する間も、萌音の話は続いている。
「ねえ、実織ちゃん。神様っているんだよ。残酷なくらい親切な神様が」
「神様…? 」
「そう、神様。創り出した私に望みを託すほどかわいそうな女の子に同情してくれるくらい優しいね」
え、それって…。
「神様は私の行動と実織ちゃんの行動をリンクさせてくれた。急に末期のガンになったのも、友達ができたのも。全部そのせい」
嘘、そんな馬鹿な。
そんなことって、ある?
呆然とする私を置いて、突然この空間が光輝き出す。
「ごめんね、実織ちゃん。私もう行かなきゃ。また会おうね」
萌音も光になって消えていく。
「…待って、萌音! 」
萌音に向かって伸ばした手は、虚しく空を切る。
そのままバランスを崩した私は、バタンと倒れこんだ。