命の灯が消える、その時まで
すると突然、誰かに思い切り背中を押された。
『うわぁ! 』
『ちょーっと! そこのカップルいちゃいちゃしなーい! 』
背中を押したのは、夕凪ちゃんだった。
『い、いちゃいちゃなんて、してないよぉ! 』
『してるってー! この、幸せ者ー! 』
夕凪ちゃんはそう言って、私の肩をバシバシ叩く。
…何気に痛いよ、夕凪ちゃん。
『おい、やめろよ』
『あーあ、彼氏が起こっちゃった』
巳影くんに怒られても、全く答えた様子のない夕凪ちゃん。
ぺろっと舌を出して、かわいく笑った。