命の灯が消える、その時まで
顔に当たるには低いボールだ。
っていうか、待って、私まだグローブ持ってない…!
そうこう考えているうちに、そのボールは私のお腹を直撃した。
「…ぅ」
なにこれ、めっちゃ痛い。
思わずしゃがみこむ。
「ごめん、大丈夫か!? 」
駆け寄ってくる足音と、男の子の声が聞こえてきた。
だけど、それに返事すらできないくらいにお腹が痛い。
だんだん遠くなる意識の中、日に当たってぬるくなった砂が頬に触れた気がした。