命の灯が消える、その時まで



巳影くん、気付いてくれたのかな?


私がさっき、巳影くんを見たことに。


もう一度見上げた巳影くんの顔は、影になって表情は分からなかった。


影になったなくても分かりにくいんだけどね。



『えー、じゃあ、あそこの雑貨屋さん見てお昼にする? 私はそれでもいいよ、あそこ見たかったし』


日向は? と、夕凪ちゃんは視線を上げる。


夕凪ちゃんと目があったらしい日向くんは、仕方なさそうに肩をすくめて見せた。


『オーケー、そうしようぜ』



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