命の灯が消える、その時まで








遠くで救急車のサイレンが聞こえる。


「俺も、俺も付き添います! 」

「でもねぇ」

「俺がこいつにボール当てちゃったんです! 」



誰だろう、こんなに必死で話しているのは。


でも、声は遠くから聞こえるだけ。


それなのに必死さが伝わるこの声は、誰のもの?


そこまで考えて、浮き上がりかけていた私の意識は、また沈んでいった。








< 12 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop