命の灯が消える、その時まで
「俺さ、心臓があんま強くないんだよね、生まれつき。それでずっとここにいるんだけどさ。で、いつもはこうやって完全に入院する前に新しいプログラムのめど立てておくんだけど、今回まだ立ってなくてさ」
え、待って、今サラッと病気のこと話されました!?
もっとシリアスな空気の時に言おうよ!
「で、たまたまお前見つけて頼んだわけ。…っていうのは実は建前だったり」
「はい? 」
結局どっちなんだ。
「ま、とにかく俺はお前に頼みたかったんだよ。ってわけでやってくんね? 」
「どんだけ軽いのよ…。まあ、いいけどさ」
「え、まじ!? 」
「ていうか、やだって言ってもどうせ引き下がらないでしょ、君」
私がそう言うと、「まあね」なんて胸をそらす藤塚くん。
そんな彼に抱く感情が変わってきてるなんて、思いたくもなかった。