命の灯が消える、その時まで
「やっほー実織! 一緒に昼飯食わねー?」
突然ドアが開かれたかと思えば、現れたのは真夕だった。
「えっと…私なんかより村澤くん誘ったら?」
「奏かぁ。考えたこともなかったな。よっしゃ、LINEしてみるか!」
「うん、そうしなよ。私は1人でも平気だし」
というか、本音としては一緒に食べたくない。
いや、真夕とのおしゃべりはとっても楽しいんだよ?
ただ、最近薬の量が増えたのが、知られたくないだけ。
いや、もしかしたらお兄さん経由で伝わってるかもだけどさ。
実は私の周りのことはとっても順調だけど、私自身の体調は全くもって順調ではなかった。
まず、お腹が痛くなるときが増えた。
軽めの痛みから、気が遠くなりそうなほどの痛みまで、大きさは様々だけど。
それを熊沢先生に相談したら、案の定薬の量を増やされた。