命の灯が消える、その時まで


私と巳影くんの前を歩いていた夕凪ちゃんが、突然振り返った。


『じゃーあ、今から2人っきりにしてあげる! 1時間だけね! 行くよ日向!』

『え、あ、おい!』


突然のことに慌てる日向くんの腕を引っ張って、颯爽とその場から姿を消した夕凪ちゃん。


私たちは呆然とそれを見送った。



そして訪れたのは、沈黙。


たっぷりとその沈黙を味わった後、私たちは顔を見合わせ、言った。


『どうする?』

『どうしましょ?』



そういった顔がお互い稀に見るアホ面で、思いっきり笑いあった。





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