命の灯が消える、その時まで
【夕凪side】
私は日向の腕を引っ張りながら、ぐんぐん人混みを進んでいた。
『ちょ、おい! 痛いし!』
『え、あ、ごめん!』
『別にいいけどさー』
私が慌てて手を離すと、クルクル手首を回しながら日向は笑った。
『まー、あいつら2人にできてよかったな』
そのまっすぐな瞳から、逃げ出したくなった。
私はただそんなつもりだけで、萌音たちを2人にしたわけじゃない。
自分だって、日向と2人になりたかったんだ。
でも、日向は…。
純粋に2人のことを応援していて。
下心満載の自分が恥ずかしくなった。