命の灯が消える、その時まで
「うーん、やっぱ似合う方がいいか! よし、こっち!」
…そっすか。
試着室を出たあと、自分の姿を確認する間も与えられず、私は次の場所へ連れて行かれた。
「いらっしゃいませ〜。ってあら、真夕じゃない」
「久しぶり、美枝ねぇ」
「久しぶりね。あら、この子は?」
「ああ、実織。病院で知り合ったんだ。実織、こいつあたしのいとこの美枝(みえ)。あたしは美枝ねぇって呼んでる」
「は、初めまして、真夕の友達の濱時 実織です。よろしくお願いします」
「初めまして、実織ちゃん。私は美枝。美容学校に通ってて、ここではアシスタントとして雇ってもらってるの」
え、美容学校?
アシスタント?
ってことはここは。
「び、美容室ー!?」