命の灯が消える、その時まで


思わず肩を縮こまらせたら、紅茶のカップが手から滑り落ちた。


ガシャンッと派手な音を立てて、綺麗なカップは無残にも粉々に砕け散った。

その音に気付いてか、巳影くんがこちらを見て『大丈夫か』と口パクで確認してくれた。


必死に頷いてそれに返事をし、とりあえず店員さんを呼ぼうと手を挙げる。


もともとこちらへ来る予定だったらしいお姉さんがちりとりやらなんやらを持ってきてくれたので、私も一緒にお片付け。


終わった後にもう1度お姉さんに謝ると、火傷をしていないかと心配してくれた。


うわー、いい人!


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