命の灯が消える、その時まで


するとちょうど電話を終えたらしい巳影くんが、私の頭をポンポンと撫でた。

そして真剣な顔をして言った。


『いいか萌音。落ち着いて聞けよ』


そこで言葉を切った巳影くんは、ぽつりと言った。


『夕凪が、倒れたって。今手術室みたいだ』



目の前が、真っ暗になった。



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