命の灯が消える、その時まで
*・*・*
走ること数分。
私たちは、ようやく藤塚くんたちのところへやってきた。
って言っても、たいして走ったわけではないんだけど。
意外と美枝さんの美容院が待ち合わせ場所に近かったってこと。
「ごめーん、待たせた!」
「おせーぞー!」
「ごめんって。ってか見て見てげんちゃん! 実織、めっちゃかわいくない!?」
ババーンって感じで背中を押され、前につんのめる私。
なんだか照れくさくって、私は前髪を触った。
「へー、かわいいじゃん!」
先に褒めてくれたのは村澤くん。
「へへ、ありがとう」
お世辞でも嬉しかった。
だけど、ちょっと胸がモヤモヤするような…。