命の灯が消える、その時まで

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*・*・*


すぐに病院に向かった私たち。


ナースステーションで看護師さんから聞いた手術室に向かった。



エレベーターを待つ時間ももどかしくて、階段を駆け上がる。


たどり着くと、手術室の前のベンチに座り、俯いている女の人と、その人を抱える男の人、そして2人から離れたところで壁に背中を預けて立っている、日向くんがいた。



『日向…』


そっと声をかけた巳影くん。

いつも元気な日向くんは、光のない目で私たちを見つめた。


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