命の灯が消える、その時まで


『み、かげ…。巳影…っ! 夕凪が、夕凪がぁー!』


ずっと堪えていたかのように、泣き出した日向くん。


巳影くんはそんな日向くんの肩を抱いて、彼に話しかけた。


『何があったのか、詳しく話せるか?』

『ああ…』


小さい返事だったけど、巳影くんはきちんと聞こえたみたい。

そこからゆっくり、順番に日向くんに質問し始めた。


『あの2人は朝河のご両親?』


支え合って座る、男女の方へ視線をやりながら訊ねた巳影くん。

日向くんは頷いて答えた。


『朝河は急に倒れたのか?』

『あ、ああ。気分が悪いって言ってトイレに行って、戻ってきたときに突然…』

『先生は?』

『何とも言えないけど、病気の発作だって…』

『そうか…』


当たり前だけど空気が重たくって、私は巳影くんに断って、1度その場を離れることにした。



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