命の灯が消える、その時まで
ゲームセンターを出た時だった。
「ちょっと、実織」
「真夕? どうしたの?」
「あたしさ、今日奏に告るつもりなんだ…」
「ええ!?」
「ちょ、静かにしろよ!」
真夕に言われて慌てて口を押さえる。
幸い前を歩いていた藤塚くんたちは、おもちゃ屋さんのショーウィンドーに飾られたプラモデルに夢中で、こちらを気にしている様子はなかった。
私たちは声のトーンを落として、再び話し始めた。
「だから、あたしと奏を2人っきりにしてくんないかな? できれば今から」
スマホでさっと時間を確認すると、午後3時。
6時までには病院に戻るから、今から遊べる時間は2時間もない。