命の灯が消える、その時まで


相変わらず心配そうな巳影くんの視線を振り切って、私は病室を出た。


ピアノのある部屋に辿り着くと、扉を閉めてズルズルとそこにしゃがみ込んだ。


『う、あ…』


実は、今日は1日中体調が悪かった。


余命を宣告されてからもう二ヶ月余りがたったいる。


そろそろ私の命も限界だった。



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