命の灯が消える、その時まで
部屋に戻ると、また誰もいなかった。
さすがに体がだるくて、録音したレコーダーと確認してほしいという旨の手紙を巳影くんのベッドに置いて、私は自分のベットに倒れこんだ。
お腹も痛いし、呼吸も苦しい。
あと、私はどれくらい生きられるのかな…?
頼まれていた作曲もしたし、どんどん私のやることが減っていく。
ああ、でもまだ巳影くんが滑っているのは見たことがないなぁ。
『死ぬ前に、見たいなぁ…』
ぽつりと呟いた言葉は、ベッドに吸い込まれていった。
私の意識と一緒に。