命の灯が消える、その時まで
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*・*・*
目を開けると、またあの空間に立っていた。
萌音と出会った空間に。
「また会ったね、実織ちゃん」
「萌音…」
「ね? 私の言ったことは本当だったでしょ?」
「っ、お願い、真夕を助けて!」
私が萌音にすがりつくと、萌音は冷ややかな目でこちらを見た。
「あの子を殺したのは実織ちゃんでしょ? 実織ちゃんが夕凪ちゃんを殺すから!」
「まだそこまで公開してないじゃない!」
「でも話は出来上がってる。実織ちゃんが書き換えない限り変わらない話がある。そうだよね?」
私が、書き換えない限り…?
「じゃ、じゃあ私が夕凪を生かせば真夕も死なないの?」
「そうとも限らない」
「え…」
萌音のその返事は、あまりにも残酷だった。
「神様がさ、もう殺しちゃえって思っちゃってたらきっとお話を変えても意味がない。神様の意思を変えるのは、私たちじゃできないから」