命の灯が消える、その時まで
「…ぃ、おい!」
「ん…」
「大丈夫か!?」
目を開けると、焦った表情をした藤塚くんと目があった。
「ごめん、大丈夫…」
「大丈夫って顔色じゃねぇだろ!」
藤塚くんは私の顔を覗き込みながら怒鳴った。
あまりの勢いに思わず肩を竦ませる。
すると藤塚くんは申し訳なさそうな顔をして、前髪をグシャリとかきあげた。
「ごめん、怖がらせるつもりじゃなかったんだ」
ただ、お前が心配で…。
そう続けた藤塚くんの瞳は、真剣そのもので。
嘘か本当かなんて、一目瞭然だった。
「私こそごめん。心配かけて…」
「ほんとだよ…。もうちょい横になってるか?」
「え…?」
待って、私なんで気付かなかったんだろ…。
私今、藤塚くんに膝枕してもらってるんじゃない!?
「ごごごごめん! 藤塚くんの膝を借りるなんて恐れ多い…」
慌てて立ち上がろうとしたら、藤塚くんに頭を押さえつけられた。