命の灯が消える、その時まで


「まだ横になってろ! 具合悪いんだろ?」

「でも…」

「いいから! それから恐れ多くなんてないからな! たかが俺の膝借りるくらい!」


そう言って藤塚くんはそっぽを向いた。


はちみつ色の髪から見え隠れする耳がほのかに赤い。



小さくお礼を言って、私は藤塚くんの膝にもう1度頭を預けた。


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