命の灯が消える、その時まで
藤塚くんの膝にお世話になりながら、萌音との会話を思い出す。
「あ、真夕!」
「だっから起きあがんなよ!」
だけど今度はそれに構ってられなかった。
「藤塚くん、真夕たちは!?」
「朝河? あいつらならそろそろ…」
「実織ー!」
何かを言いかけた藤塚くんを遮るように、聞き覚えのある声が飛んできた。
「真夕!」
「実織大丈夫!? 高瀬さん呼んできたよ!」
「濱時さんもう平気なの?」
「真夕ありがとう。村澤くんも。もう大丈夫」
「大丈夫じゃねぇだろうが」
藤塚くんの不機嫌そうな声が聞こえたけど、スルー。
「実織ちゃん大丈夫? 真夕ちゃんたちが病院まで呼びに来てくれて…」
そうだったんだ…。
迷惑かけちゃったな。
「みんなごめんね」
私が謝ると、真夕に頭をペシッとはたかれた。
「なーに言ってんの、あたしたち友達じゃん!」
屈託ない真夕の笑顔に、涙がこぼれそうになった。