命の灯が消える、その時まで
「こいつ、友達の白刃音 雅斗。こんな見た目だけど、ヤンキーじゃねえから」
「え、そうなの!?」
知らなかった…。
あれ、て言うかこの人どこかで…。
「濱時、初めて見たみたいな顔してるけど、こいつ同じクラスだったんだからな」
「え、嘘!」
「おいおいひでぇなぁ」
「ご、ごめんなさい!」
鬼の形相で睨まれて、亀のように縮こまる。
「まあまあ、2人とも落ち着いて。濱時、真斗はチャリ持ってきてくれたんだ。お前乗っけて帰るためにさ」
「え…?」
「だから悪く思わないでやってくれよ。好きになれとまでは言わないから」
そうだったんだ。
まだ若干怖い顔をしていた白刃音くん。
少し怖かったけど、きちんとお礼を言った。
「別に。幻冬に頼まれただけだし」
そうぶっきらぼうに言って、白刃音くんは顔を背けた。
微かに赤い耳が、彼が素直じゃないことを表していた。