命の灯が消える、その時まで
「さんきゅーな雅斗。また今度返しに行くわ」
「いや、見舞いに行った時にとってくりゃいいからどっか止めといてくれ」
「了解。ありがとな」
そのまますぐに背を向けた白刃音くん。
心なしか、その背中が優しく見えた。
「うし、帰るか。濱時後ろ乗れよ」
「…は?」
そういえばさっき、そんな話題が出ていたような…。
ちょっと、いやだいぶ白刃音くんに対する恐怖が大きすぎて、よく内容を分かっていなかった気がする。
私が、藤塚くんが漕ぐ自転車の後ろに乗るってことだよね?
って、待って。
「えええ! 嘘でしょ!」