命の灯が消える、その時まで
それでも時折苦しそうに胸を押さえる巳影くん。
やっぱりしんどいんだ…。
そりゃそうだ。
だって、入院しているんだもん。
それでも巳影くんは顔を上げて滑り出す。
その滑ることへの執着や信念は、この短時間で手に取るように分かった。
『…頑張って』
聞こえているはずがない。
それくらいの小さな声で、精一杯のエールを君に。
だけどまるで聞こえたかのように、こちらを見た巳影くんは微かに笑った。