命の灯が消える、その時まで
そりゃあね、うちの学校で1年生にしてミスコンで優勝した藤塚くんの後ろに乗ってるのがこんな地味女なんて、お綺麗なお姉さんたちから見たらさぞかし胸くそ悪い話でしょうね。
むくれた顔を他人に見られないよう、額を藤塚くんの背中に押し付ける。
「おわっ、急に何だよ」
「なんか、人の温もりが欲しくなった」
「あっそ」
また黙々と自転車を漕ぐ藤塚くん。
額をくっつけているせいで彼から直接響いてくる呼吸音を、心地よく感じている感じている自分がいた。