命の灯が消える、その時まで



病院に戻ると、高瀬さんが走って私たちを迎えに来た。


『2人ともどこに行ってたの!』

『あ、ごめんなさい、外出届…』

『俺もだ』


巳影くん、私に元気出してもらおうと必死になっていたから、うっかりしちゃったんだね。


こんな素敵な彼氏に迷惑かけるなんて…。


『ごめんね、私が気付けばよかったね』

『いや、俺も外出届とってから迎えに行けばよかった』

『そんなことより!』


私たちがお互いに謝っていると、高瀬さんが声を荒げてそれを遮った。


『夕凪ちゃんが、夕凪ちゃんが、





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