命の灯が消える、その時まで



「でも、知らない方がもっと怖いよね。ごめんね、ごめんね…」

いつも元気な高瀬さんからは想像できないほど、悲しみを含んだその声は、私の胸にすうっと通った。


ずっと、高瀬さんが苦手だった。


ううん、元気で明るい人がみんな苦手だった。


自分はそうはなれないから。


羨ましくて。


妬ましくて。


眩しくて。



だけど、藤塚くんや真夕、村澤くんに出会って。


変わりたい。


私も綺麗になりたい。


みんなのようになりたい。



前向きになっていった。






< 209 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop