命の灯が消える、その時まで
*・*・*
「んー、ガンだね、胃ガン」
「は? 」
翌日の母を交えた検査の時、外科の先生はサラリとそう言った。
まるで、あー風邪だねって言うかのように。
「え、それって治るんですか? 」
「それは難しいかな」
「は? え、なんで? 」
思わずタメ口になってしまったのは許して欲しい。
さすがに頭がついていかない。
横に座っているお母さんも、呆気にとられている。
「だいぶ進んでるんだよね、濱時さんのガン。こんなに広がってるならもっとはやく気付くはずなんだけど。ほんとに痛くなったの、昨日が初めてなんだよね? 」
「はい、そうです」
「だからこの進み様はもはや異常としか言いようがないね」
え、そんなことサラッと言われても…。