命の灯が消える、その時まで



お腹の鈍い痛みも、真夕と話していれば忘れられた。


村澤くんから野球部の話を聞けば、未来に希望が持てた。


藤塚くんのための曲を書いている時は、彼に出会えたことに感謝できた。



「高瀬さん、私不幸ばっかじゃないですよ」

「え…?」

「余命宣告されて、未来が見えなくなったけど、いろいろなことにチャレンジできた。今本当に幸せです」


それは私が初めて人に話した、純粋な本音だった。




< 210 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop