命の灯が消える、その時まで
第6章
*・*・*
『夕凪ちゃんが、夕凪ちゃんが、目を覚ましたの!』
『え、本当ですか!?』
『本当よ! 早く来てちょうだい!』
高瀬さんに急かされて私たちは病室まで走った。
今日は廊下を走っても、高瀬さんが怒ることはなかった。
むしろ早く早くと急かしている。
できる限り全力で走って、巳影くんが乱暴に開けた病室の扉の向こうでは、夕凪ちゃんと日向くんが抱き合っていた。