命の灯が消える、その時まで
「ちょ、真夕!?」
「ごめんな、泣かせたかったわけじゃないんだ。ただ、心配で…」
「真夕…」
「あたしがいないうちに実織の容態が急変して、手術室に行っちゃったんじゃないかとか、もしかしてって、嫌でも考えちゃうんだよ!」
「ごめんなさい…」
いつの間にか2人とも泣いていた。
「ごめん真夕。心配かけて。私ね、藤塚くんに頼まれて作曲しているの」
「作曲?」
「そう。今日はそれの完成とデモ録音してたんだ。ごめん」
「そっか…。なあ、聴かせてくれよ」
「え、でも藤塚くんのだから…」
「呼べばいいだろ、げんちゃんも!」
「え?」
「ついでに仲直りしよーぜ!」
そう言って笑った真夕の瞳の縁には涙が光っていて。
その光に負けないくらい彼女の笑顔も輝いていた。