命の灯が消える、その時まで



早速真夕が藤塚くんを呼びに行き、またまた暇人になった私。

でも、今度は大人しくベッドにいた。


窓から入ってきた風が、私の長い前髪を揺らす。


私、きっと真夕を救えたんだ…。


私の宣告された余命まで、もう残り1ヶ月を切っている。


それでもまだ真夕が倒れないのは、私があのストーリーを変えられたから。


きっとそうだ。


「やり残したことって、なんだろうなぁ…」


ポツリと呟き、目を伏せた。



もう一度、4人でお出かけしたいな。

真夕とお揃いのチャームを買って、お揃いのポーチに付けるの。

クレープを食べながら海辺の公園を歩いて。

ゲームセンターでコインゲームに夢中になったり。

プリクラをまた撮ったり。



まだまだある。


でも1番やりたいことは…。


「藤塚くんの滑るところを見ることだなぁ」


目の縁から、涙が溢れた。




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