命の灯が消える、その時まで



『萌音はね、ガンだったの。胃ガン。異例の症状で、入院してきたときにはすでに末期の状態だった…』

『は? 嘘だろ…』

『ほんとなの! 私も最初に聞いたときは驚いたよ…』

『それで、萌音ちゃんの症状はどんなだったの?』


この間夕凪が倒れたときの様子からは想像できないほど優しく問いかける日向。

俺も夕凪の次のセリフを待った。



『萌音、入院した時点で、余命が3ヶ月だったの…』


今度こそ嘘だと、思いたかった。



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