命の灯が消える、その時まで


『なぁ、あいつが入院してきたのっていつだ?』

『ちょうど2ヶ月半前くらいだと思うよ』


ってことは余命より若干早いくらいってことか…。


俺は壁をガンッと殴りつけた。

『おい巳影!』

『…っでだよ』

『巳影…』

『なんで言ってくんなかったんだよ!』


いや、きっと萌音は何度も言おうとしたんだ。


あいつはそういうやつだ。

俺が、言えるような空気を作ってやれなかったから、あいつはきっと言えなかったんだ。


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