命の灯が消える、その時まで
『君たち、そこをどきなさい』
『先生、萌音は!』
『まだなんとも言えないよ。すまないね』
『そんな…』
ぐらりと傾いた体は、日向に支えられた。
『わ、りぃ』
『ショックなのは分かるけどさ、とりあえす落ち着こうぜ』
『そうだよ! ねぇ、みんなで食堂いかない? ケーキでも食べようよ』
『そうだな。夕凪、悪いけど俺の財布取ってきてくれ』
『もしかして奢ってくれるの!?』
『今日だけだぞ』
『やったぁ!』
飛び上がって喜ぶ夕凪を見ていると、少しだけ気分が晴れる気がした。
そうだよ、俺たちが沈んでたら治った萌音が困るだろ。
『よし、行くか』
【巳影 side end】